SRID  Journal




SRIDジャーナルとは


「SRIDジャーナル」は、国際開発のあり方、進め方について、斬新で面白く、知的で革新的な考えとアイディアをブログのような形で、世界に向けて発信していこうとするものです。学術論文集を目指したものではなく、SRID会員と友人達のアイディアを広く提供することが一番大きな目的です。内容は論説、提言、書評、エッセイ、フォーラム、等々何でもありです。日本と世界の識者の間で共有していただければ望外の喜びです。この趣旨に共感される読者からの投稿も歓迎いたします。年に2回という限られた発行ではありますが、人々の心に共感と明日への希望を与えられるように、努力して行きたいと思います。


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途上国アルバム(小久保和代: テロと自然災害のある楽園、インドネシア共和国)

アチェ市内のイスラム寺院 いたるところで繰り広げられる渋滞 涼しげな民家

巻頭エッセイ

複合危機化するコロナ・パンデミックと新たなグローバル文明の黎明

髙橋一生

リベラルアーツ21代表幹事


始めに

Memento mori! (生けるものよ、死を忘れるな!) ヨーロッパ中世の快楽にふける3人の裕福な若者が死装束をまとった教皇、枢機卿、教会高位聖職者に狩りの途中に突然出会う話は世界的に有名である。2020年1月からの半年間に中国から東アジア、ヨーロッパ、アメリカ、新興諸国に瞬く間に拡大したCOVID 19は嫌でもこの話を多くの人たちに思い出させつつある。今後さらに後発途上国に拡大していくのであろう。また、世界いたるところで第2の波、第3の波に直面するのであろう。このパンデミックの地球社会にとっての意味を考えてみたい。


人類の歴史はほぼ常に疫病との格闘、であった。しかし無数の疫病との闘いの中でほんの一部の疫病が歴史に決定的な刻印を記してきた。その刻印は文明の転換である。その稀有な例は疫病と他の人為もしくは自然現象(あるいはその両方)との複合的危機が発生した場合であった。今回のコロナ・パンデミックは果たして人為もしくは自然現象などの他の要因と絡み合い、複合危機化するのかどうかが地球社会のありよう、すなわちグローバル文明との関係で決定的に重要になる。その点を検証するのが本論考の目的である。


I コロナ・パンデミックの「落としどころ」

まず、現在グローバル展開しつつあるコロナ・パンデミックのこの先について確認をしておきたい。新型コロナウイルスはまだまだ謎に満ちているようであるが、この点に関し、私には國井修(世界エイズ・結核・マラリア基金の戦略・投資・効果局長)の指摘 が適切であると思われる。氏は3つの可能性を指摘する。

1.1919-21年のスペイン風邪のように蔓延と縮小を繰り返し、完全に終息するパターン。SARSも8か月で終息し、その後、発生なし。

2.いったんは世界流行。その後季節性インフルエンザになり、少しずつ変形しながら毎年小流行を繰り返す。このタイプはかなり多い。

3.エイズや結核と同じように終息せず、世界の多くの国で常に新規感染者を生み、人類と共存する。


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