SRID  Journal




SRIDジャーナルとは


「SRIDジャーナル」は、国際開発のあり方、進め方について、斬新で面白く、知的で革新的な考えとアイディアをブログのような形で、世界に向けて発信していこうとするものです。学術論文集を目指したものではなく、SRID会員と友人達のアイディアを広く提供することが一番大きな目的です。内容は論説、提言、書評、エッセイ、フォーラム、等々何でもありです。日本と世界の識者の間で共有していただければ望外の喜びです。この趣旨に共感される読者からの投稿も歓迎いたします。年に2回という限られた発行ではありますが、人々の心に共感と明日への希望を与えられるように、努力して行きたいと思います。


--> 続きを読む


途上国アルバム(小森 剛:住民投票間近のフィリピン・コタバト)

戒厳令下の軍・警察のチェックポイント 栽培が広がる陸稲と農家の子供たち 自治領外に立地するARMM自治政府庁舎

巻頭エッセイ

一帯一路の行方

伊藤亞聖

東京大学社会科学研究所准教授


中国の習近平政権が推進する「一帯一路」構想が、その提案から5年経過した。2015年3月に中国政府がまとめた文書は、周辺国を中心にインフラ建設を通じた経済関係を強化し、政策協調や金融協力、そして留学生や文化面での交流を謳う。同時に世界第二位の経済大国たる中国が政治外交的な影響力を拡大させようとする取り組みでもあると理解されてきた。


構想が形作られた時期は2010年代初頭だった。外交面では米国オバマ政権の「アジアへの回帰」が、国内に目を向けてみると鉄鋼と外貨(米ドル)の「二つの過剰」が課題となっていた。国内で発展の遅れる内陸地域への景気刺激という観点からも、「西へ進む」とも呼ばれる「一帯一路」の構想がこれらの複合的な課題に対応できる包括的アプローチ、あるいは「一石二鳥」の処方箋として期待された。


中長期的に見て、中国と新興国との経済関係の深化の趨勢と、その重要性は明らかだ。加えてインフラ建設を通じたコネクティビティの向上が地域間の貿易を活性化し、地域に経済成長をもたらす効果があることに異論はない。なおかつ公共財の提供は市場メカニズムでの解決が困難である。この面からいえば構想には道理がある。


--> 続きを読む



SRID内検索