SRID  Journal




SRIDジャーナルとは


「SRIDジャーナル」は、国際開発のあり方、進め方について、斬新で面白く、知的で革新的な考えとアイディアをブログのような形で、世界に向けて発信していこうとするものです。学術論文集を目指したものではなく、SRID会員と友人達のアイディアを広く提供することが一番大きな目的です。内容は論説、提言、書評、エッセイ、フォーラム、等々何でもありです。日本と世界の識者の間で共有していただければ望外の喜びです。この趣旨に共感される読者からの投稿も歓迎いたします。年に2回という限られた発行ではありますが、人々の心に共感と明日への希望を与えられるように、努力して行きたいと思います。


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途上国アルバム(高津 俊司:多様な民主主義国家・インド)

市民の足・ムンバイ近郊鉄道 世界遺産ムンバイ・ヴィクトリア駅 インド料理は種類も味も豊富

巻 頭 言

SRIDジャーナルの10年を振り返る

藤村建夫

SRIDジャーナル編集委員長


2020年初頭、中国で発生したCOVID-19パンデミックは、あっという間に世界中に拡散し、人類と世界経済に大きなダメージを与えています。2020年12月30日現在、世界で8,045万人以上が感染し、177万人以上が死亡しています。コロナの感染者数と死亡者数は、ヨーロッパ諸国と南北アメリカ諸国で大きく、インドを除くアジアと中近東、アフリカは相対的には少ないと言えますが、それでもアフリカ全体では170万人を超える感染者がいます。中国が苦境に陥って国を挙げて厳しいロックダウンに取り組んでいた時、アメリカのトランプ大統領は、これを他山の石と見て参考にすることなく、「アメリカは大丈夫」と、見物するような態度でした。ところが3月、4月になると、イタリア、スペインへ、そしてフランス、イギリス、ドイツへと炎のように燃え広がるコロナ・パンデミックは、4月―7月には、アメリカへと波及し、みるみる内に燎原の火のごとくアメリカ中に流行してしまいました。12月30日現在、アメリカでは、世界でもっとも多い、1,915万人が感染し、33万人が死亡しています。


SRIDジャーナルが創刊された2011年の日本では、3月11日に東日本大震災が起きていました。創刊号の巻頭エッセイで高橋一生氏は、「これからの数十年のことを考えると、3.11は国際協力の転換点として位置づけられることになるのではなかろうか」と問いかけ、何故なら「課題は人の移動、文化間の相克と対話、知財、人権、水、エネルギー、気候、感染症、自然災害、紛争、生活スタイル、先進国にも広がる貧困、social trust、大小の続発する危機、自然・文化遺産、公正な市場、財産権の保障、などなど古典的な開発協力に馴染まないものの比重が増えてきつつある。今我々の目の前に現れつつある国際社会の現実を、3.11の実感から概念構成すると地球公共財の形成と運営に対する資源供給 (Financing Global Public Goods-FGPG) がこれからの国際社会の中心的課題となる、ということになるのではなかろうか」と、その殆どが2015年のSDGsの目標に組み込まれた世界的な開発課題の将来図を予見しています。


日本の東日本大震災から世界的なコロナ危機へ、この10年間に日本と世界は変化してきたように見えますが、このコロナ危機があまりにも大きなインパクトを人間社会に与えているために、世界中がこれまでにない大きな変化を遂げざるを得なくなりました。読み物としてのSRIDジャーナルは、そのような世界の変化を「国際開発」の多様な視点から考察し、論じてきました。その核となるものは、論説・インサイトと巻頭エッセイですが、これに加えて、特別寄稿・特別論考と徒然草・開発の現場からを加えると、全体の約半分は開発課題に関する分析や解決に関するものです。斬新で面白く、知的で革新的な執筆者の考えとアイディアを提案することを心がけてきました。本稿では、この10年間にジャーナルに掲載された内容を振り返り、今後の課題について、考えてみました。


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